若いお母さん及び妊婦さんへ

温泉場のアンマさんのイメージが今だに有るのでしょうか、若い人が骨盤調整などの手技療法を受けていると、「お若いのに如何しましたか?」と声をかける方が多いですね。
日本にも古来から有る各種手技療法ですが、アメリカでは今までの西洋医学を基本とした現代医学療法より、それ以外の手技療法を含めた、いわゆる民間療法の年間医療費が上回って、10年近い年月が経とうとしています。
これは、私たち自然の力を基本とした治療法を実践してきた者にとって嬉しい事で有り、しかしながら当然の事と感じています。
当治療院の「骨盤調整法」は赤ちゃんから90過ぎのお婆ちゃんまで、全ての方に受けて頂きたい治療ですが、特に強調したいのが、「妊婦さん」と「お子さん」の治療です。
順番を付けるなら、赤ちゃんがお腹に居る時、健康正常な骨盤にしておけばしっかりした良い赤ちゃんが産まれて来ますから、お母さんの方が先決と云う事に成ります。

自然良能会は45年間の歴史と全国約45支部(現在)の活動実績が有りますので、その総患者数は大変な数字になります。
その中で各支部の支部長が異口同音に「骨盤調整をして産まれて来た子は良い子だ」と言います。
ここで云う「良い子」と云うのは、丈夫な子、心身共に余裕のある子、聴ける子、待てる子です。
多少オムツが汚れても、お腹が空いても、眠くても、機嫌が悪くなる事なく、ただその事を知らせて来るだけ。
小さいうちからグズらずに周りの大人の話を聴く余裕が有ったら、本人も周りもどれ程穏やかな時間が持てる事でしょうか・・・。
この様な時間が一生の基になる人格形成にとって、どれ程大切な事柄であるは、親になる者なら痛いほど解って頂ける事だと思います。

赤ちゃんはお母さんの母体の中で十月十日の間に、単細胞の状態から魚の形態を経て、人間になるまでの生命の何十億年分の進化をたどって成長して来ます。
その環境となる「要(かなめ)」の一つがお母さんの骨盤です。
骨盤の状態が良ければ、お母さん全体の体調も良くなり、体調が良ければストレスにも強くなるので、それもひっくるめて「骨盤」が要です。

産まれて来た子の中には先天的に問題を持って生れた子も多いですが、「産まれた時点でそうなっていた」と云う事が「生まれつき」と諦めてしまう事ばかりでは有りません。
先天性ナニガシと病名が付くと「変える事が出来ない事」と思い込みがちですが、母体内で成長する中でそうなってしまったという事ならば、そうならない様にも出来たという事ですし、これからも変えて行ける可能性が有ると云う事です。
昔から日本では、産まれた時点ですでに一歳。
お腹に宿った時点でその子の人生が始まっていると云う考え方でした。
とにかく先ずは、お母さんの「骨盤」を正常にしておく事!
大袈裟な様ですが、これが人類繁栄の大前提であると思います。

[骨盤の歪みの見つけ方は、赤ちゃんの場合も含めて後述しますので参考にして下さい。]

実際の問題、最近のお母さんの体は頑丈では無くなっています、解りますよね。
自分の体を維持するのでやっとの状態で、赤ちゃんを産んで、しかも育て上げなくてはならない。
出生率が下がるのはもっともな事だと思います。
今までは、お金が無くても「子供が欲しい!」と云うバイタリティーが、無謀とも思えるほど現実を切り開いて来たものですよね。
昔から、「子供は自分の必要なものを持って産まれて来る」と言って、不思議と経済的にも何とかなってしまうもので、理屈では合わないが、何故かそうなってしまう。だからそんな言葉が有るのでしょう。
最近の少子化対策に必要なものは子育て支援金よりも、先ず親になる年代の人たちのバイタリティー(生命力)ではないでしょうか。
その点からも「骨盤」が「要」です。

骨盤の歪みから不妊症にもなります。
もっと話を戻せば、長い間立っていられない、下痢しやすい、便秘しやすい、風邪ひきやすいなど、生理痛が強い、周期が不定期なども、腰の支えが不安定である事の目安になります。
骨盤の歪みが何故その様な色々な症状を引き起こすかは他の資料を見て頂くとして、ここでは妊婦さんと赤ちゃんに焦点を絞らせて頂きます。

人間も含めて生物は、成長段階に応じて必要な事柄を成長させて行きますので、子供の頃に成長しておかなければならない事を、大人に成ってから成長させようとしても、もう手遅れ、という事が沢山あります。
野菜などの植物でも、苗の段階で既に一生の成長計画が出来上がっていると云われています。例えば、苗の段階で、水分や養分が手近に有ると根を深く張る事をしなく成るそうで、本物の野菜作りを目指す農家では、あえて恵まれた環境を用意しない事で、自分に必要なものを求めて、地中深くに根を張ろうとする生命力を引きだします。
赤ちゃんも、その時その時、どの時期をとっても健康で、環境から学び取る力に溢れた幼児期を過ごさせてあげて下さい。

お母さんと乳幼児の骨盤の歪みから来る状態の見つけ方を書いて行きます。

<お母さんの場合>
先ほどにあげた 長い間立っていられない。 下痢しやすい。 便秘しやすい。 風邪ひきやすい。等々。
*生理痛がひどい。周期が乱れる。
*子供が出来ない。
*不感症、或いは痛みが強い。
*つわりがキツイ。
*流産しそうになる。
*足のむくみ、腰の痛みが強い。
何れも骨盤の歪みが強いと骨盤内腔全体に血液循環、神経の伝達機能、筋肉、腹膜などの組織的な支えの悪化が起こり、内腔器官が正常では居られなくなる。勿論、子宮筋腫、卵巣膿腫など、殆どの婦人科系、泌尿器科系疾患が骨盤の影響を強く受けます。

<乳幼児の場合>
*片方ばかりに顔を向けたがる。
*足のケリの力が左右違う。片方の足がむくんでいる。
*体のどこかを触ると妙に嫌がる。
*ハイハイの仕方が左右不均等。
赤ちゃんは組織が柔らかいので歪みも出やすいですが、成長する力も大変強い時期なので、歪んでいる時間を長引かせないで、早めに整えて行けば何事も無く、生命力の顕われるままに自力で成長して行きます。
その他異常とまで思えなくても、「体の住み心地」が悪いと、オムツが汚れただけで泣き方がキツイ、目が覚めるといつも泣く、泣き方がヒステリックな時は何か理由が有るのでは無いかと考えて下さい。
(子供だけでなく大人も同じですが。)
<幼児では>
*落ち着きがない。同じ姿勢を続けられない。
*ちょっとの時間が待っていられない、人の言葉が聴けない。等。
*目が悪い、鼻が垂れる、中耳炎外耳炎、下痢便秘、風邪を引きやすい、虚弱、アトピーなども大いに関係が有ります。
その他にも子供から色々サインが出ますので、お母さんは観察力を養って下さい。

私達の3人の子供達は大きな病気をする事もなく成長して、孫も2人居ますが、みんな出産間際まで骨盤調整をして産まれて来ました。
出産は3人ともラマーズ法で、たっぷりと呼吸法をして、血液も全く付いてないで“玉の様な”ピンクの綺麗な赤ちゃんでした。
助産院で私も立ち合いで、4人目は僕が取り上げようかと冗談が出るほど、安定した出産でした。
また、赤ちゃんが熱を出したり、苦しそうな時など、健康的に解消する方法が色々有ります。
健康的に解消しておけばそれ以上ややこしい病気に発展しませんし、親も本人も楽に過ごせます。そんな方法も伝授いたします。

2009年6月6日