5、側湾症は人類にとって本質的な症状

 そして今回、何故この「側湾症」をテーマにしたかと云うと、これが大変根深い、人類にとって「宿命的」な症状で、しかも現在、側湾症で困っている方は大変多い。
 寿命も伸びた。色々な病気は何とか防いできても、体を支える役割の「骨格」の中心が傾いてしまう事は、年月の経過と共に、より避け難くなっています。
 一般の知識ですと「筋肉を鍛えなさい」という人が多いのですが、本質は骨格の問題なので、筋肉を鍛えても根本解決しないのです。
 根本原因は人類の「二足歩行」。
 四足歩行の為に発達して来た「仙腸関節」の形状そのものが根本原因です。(詳しい解説は別の場で行います)
 当治療院には、3ヶ月の乳幼児から、90歳以上の方も治療にみえています。しかも30年以上治療を続けていらっしゃる方も沢山いらっしゃいます。
 そんな方々を長く治療する事で沢山の事を学ばせて頂いてますと、乳幼児から青年期、中年期、老年期、これを貫く病気の「根本原因」が見えて来ます。
 所謂、「歳のせい」「加齢による変性」と言うものではなく、病気の原因が見えて来ます。
 本来の「老化」は避けられませんが、原因が有るものには対処していけます。
 体の1番の根本は「筋肉」では無くて「骨格」です。骨格と筋肉が「相互作用」で体を「支え」と「動き」を作ります。そして、骨格と筋肉によって構成された「体幹」の中を「血液」が流れ「神経」が伝達します。「内臓」は元々四足歩行で、背骨からぶら下がって、背骨側から神経と血液を受けて作動します。
 体内の全ての生理作用、つまり「生きる為のシステム」は、底辺で骨格によって支えられているのです。
 先程「根深い」と書きましたのは、3ヶ月の乳児から既に「骨盤」の捻れ、それに伴う上半身下半身の捻じれが発生しているからです。? 骨盤の「仙腸関節」の捻れは、単なる個人的な症状では無くて、「全人類的」宿命的な症状なのでは無いかと推測するものです。
 個人差こそ有れど「仙腸関節」の歪みの全く無い人は居ないと思います。
 これは構造的に歪まざる得ない構造だからそう思うのであります。何万年、何十万年と云う時間、恐らく「二足歩行」と同時に始まった宿命的な歪みでは無いかと思います。

2019年10月20日