ギックリ腰 繰り返すのは当然

⑤ぎっくり腰、繰り返すのは当然
「ぎっくり腰」経験したことのある人はその言葉を聴くことさえおぞましい。
酷いぎっくり腰だと、手を動かすのも呼吸をする事でさえ腰に痛みが走る。トイレなどは脂汗をかきながら、死に物狂いで行かねばならぬ。仕事は当分無理。患者さんから助けを求める電話も珍しく有りません。応急手当としては「生姜の温湿布」が抜群に効くが、ここでは根本的な原因をお伝えしたいと思います。
 先ず、原因ですが、「①原因は確実にある」で書いた「腰痛」と原因は同じです。
 地震の発生と同じ様に二つのプレート、腰痛の場合は「仙骨」と「腸骨」が作る「関節面」のズレが増大して、限界点を超えると突如激痛に襲われる。
 簡単におさらいすると、先ず、足と云うのは「股関節」からが足なのでは無く「仙腸関節」からが足の始まりです。その仙腸関節は「縦方向の平面」で体を支えています。もし人をオンブして歩いたら、右足、左足と、仙腸関節には100kg位の荷重力が通過します。その100kgが通過する関節であるにもかかわらず、関節面が「縦の平面」なので「骨」では力を受け止められない構造なのです。
 つまり股関節や膝関節の様に「骨」同士が向かい合って、骨から骨へ力を伝達していれば関節がずれ込むことは無いのですが、仙腸関節は「縦の平面」ですから構造的に「骨」で定位置では支えられず、多少の伸縮性を持つ周囲の「靭帯」で、その100kgを支えている事になります。
 四足歩行用に形成された「仙腸関節」を、二足歩行で使っているので、この様な構造的に不具合が有り、関節に誤差が生じてくるのです。 
 ですから痛みが無くても、誰でもが一定量の「ズレ」を常に持っているのです。
 その骨盤のプレートの一定量の「ズレ」を放って置くと、エネルギーが溜まり限界点に近付く、そして何かのキッカケで一気に限界を越えると「魔女の一撃」ギックリ腰となるのです。
 キッカケは何でも有りです。子供を抱っこしたから。植木鉢を移動しようとした。中には、伸びをしようとした時。とか、ペンを拾おうとしたら、など。
それは皆「キッカケ」であって「原因」では有りません。原因は「地震」と同じで、骨盤の「仙腸関節」の「仙骨」と「腸骨」のプレートの「ズレ」が原因です。
そして、痛みが無くなると「治った」と思っている事が大間違いの始まりです。
「ギックリ腰は癖になる」のでは無くて、原因がそのままなので、繰り返すのは当然です。

2020年6月6日